放射線取扱主任者ブログ

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就職・転職活動における有利な資格(資格の優位性を無理矢理計算してみた)

 

 

 

 

どうも、Haruです( ´ ▽ ` )

またまたまた久しぶりの更新になってしまいました、、

ごめんなさいm(_ _)m

 

 

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お酒飲みながら加速器の勉強 at 実家

 

さて今日ですが、

就職活動・転職活動でどんな資格が役に立つの?ということについて書きたいと思います。

 

有名な資格、難しい資格、広く使われる資格・・・・・・。

資格はその資格ごとに特徴があり、どのような資格が有利なのかということを相対的に評価することは難しいと思います。

しかし「 資格 おすすめ 」などと検索すると、おすすめ資格ランキングなるものが出てきます。それらは受験者が多いという理由だけの人気ランキングだったり、特に根拠資料のない使えるおすすめ資格ランキングなどが列挙されているだけな気がします。

 

そこで、少し回り道ではありますが、どのような資格が就職活動や転職活動において有利なのかを無理矢理計算してみることにしました( ´ ▽ ` )ガンバロー!

放射線取扱主任者の資格について聞いているんだよ!!と思う方は、

 3. 放射線取扱主任者資格について考察

まで飛ばし読みしてください(笑)

 

完全に私的な取り組みでありますので、あくまで参考にしかなりません、というか参考にもなりません、ご了承願います。笑

ただ、ここの計算はこうしたほうがいいのでは?などという意見は、コメントなどでどんどん受け付けます( ´ ▽ ` )

 

 

 

[目次] 

1. 資格の優位性(計算方法)

2. 計算結果

3. 放射線取扱主任者資格について考察

4. まとめ

 

 

 

 

1. 資格の優位性(計算方法)

 

①資格の優位性評価計算式

さて、就職活動および転職活動での資格の優位性をSuperiority(以下、Sp)とおきます。

まずこのSp、下記の3つのファクターで計算できると仮定します。

 

Sp = {40D50U + 10P}

 

ただし、

 

D : 資格の取得難易度(Difficulty )

U : 利用価値(Utility Value

P : 将来性(Promissing)

 

とします。

またそれぞれのSpへの寄与割合は、

D : U : P = 4 : 5 : 1

としております。

この根拠ですが、正直特にありません。笑

あえて言うならば、将来性というファクターは予測的で誤差が大きいためSpへの寄与は低く取る、さらに企業は取得に関する努力よりも実際に使える資格か、はたまた欲しい資格かどうかが重要なためUの寄与を高くとる、という程度です。

アインシュタイン相対性理論を考えたとき「光速度はどの慣性系でも不変だ」と言って、相対性理論を構築しています。

そう、まずは仮定してみることがきっと重要なのです。笑

しかし、この寄与の割合は直接的にSpに影響を与えますので、再考が必要になるかもしれません。。。。

 

D : 資格の取得難易度(Difficulty )

資格の取得難易度が難しいと、その資格および資格を取得した人の価値というものは単純に高く評価されると考えます。

面接において第一印象は重要と言われますが、資格も一緒です。

履歴書を見たときに「おっ!!」っとなるような資格が書いてあると、大して履歴書を読んでいないのに印象に残るものです。

例えば履歴書の資格・免許欄に「医師免許」「弁護士」などと書いてあれば、誰しも「おっ!?」となりますよね・・・・?

 

 U : 利用価値(Utility Value

民間企業や行政においてより多く必要とされる資格ほど利用価値は高まります。

また必要とする企業や行政数に対して、有資格者が少ないほどその資格の価値というものは高くなります。

 

P : 将来性(Promissing)

これは具体例を出すとわかりやすいです。例として翻訳者を考えましょう。

翻訳に関する資格はいくつかありますが、多言語における言語変換は今後コンピューター(AI)に間違いなく取って代わります。現段階で英語⇆中国語の変換は、AIの方が流暢であり早いという結論を示す論文も発表されております。このような資格は将来的にコンピューターに取って代わり、利用価値が薄れると考えられます。

逆に教師はどうでしょうか?

教師を行うには教員免許状が必要であり、業務内容は多岐に渡ります。

私は学生の頃教員免許状の取得を行なっており、1ヶ月間中学・高校で教育実習を行いました。その時は授業を行うための準備などで精一杯で、とてもそれ以外の業務を行える余裕はありませんでした。しかし本来教師はそれ以外にも学校行事の準備、部活動、PTAの対応など、本当に多くの業務を抱えております。これらが近い将来ロボットなどに代替することがあるでしょうか?

何より生徒は人であり、心を持っております。ロボットが人の心を理解する段階まで発展するのにあと何年かかるでしょう?

これらの推察から教師の将来性というのは、比較的安定であると考えることができます。

*ただ、日本は少子高齢化が急速に進んでおり、地方の子供の減少というファクターは考慮する必要がありますが。

 

規格化

これは資格の優位性(Sp)が、どんなに高くても100がMAXとなるように調節するためのものです。それぞれのファクターの頭についている数字を全て足すと100になるようしているだけで、物理学などでよく使う基本手法です。特に気にしなくて良いです(笑)

 

  

 

 ②各ファクターの計算方法

ここでは、それぞれのファクターの計算方法を考えていきたいと思います。

 

D : 資格の取得難易度(Difficulty )

まずD値が高ければ取得難易度も高い、D値が低ければ取得難易度は低いとします。

次に取得難易度が単純に合格率で評価できるとすると、下記のように計算できます。

 D=1- {合格率 / 100 }

例えば放射線取扱主任者試験の場合、合格率が20%程度ですのでD=0.80となります。

また英検5級の場合、合格率が80%程度ですのでD=0.20となります。

 

さてここで懸念されることが、受験者の数と質です。

例えば、とても専門的な資格で受験者は大学教員、受験者は100人合格者が50人としたとき、この資格の合格率は50%。一方で、比較的簡単な資格で誰でも受験ができ、受験者1000人合格者400人とすると合格率は40%。

合格率だけ見ると試験内容が簡単な資格の方が合格率が低く、D値の逆転現象が起きます。

この現象を避けるために、下記のように計算式Dを補正します。

 D= {1 - (合格率 / 100) }

× {1 - (合格者数 / 現在の有資格者数) }

 

これは、現在の資格保持者に対して1年間でどれくらいの割合増えるのかということを考慮しています。

例えば現在1000人いる資格を考えてみると、1年間で100人増える資格と2人増える資格では、断然後者の方が難しい資格であると言えますよね?

この計算式で、いくつかの資格についてDを計算してみました。

  D(取得難易度)
放射線取扱主任者 0.53
核燃料取扱主任者 0.66
税理士 0.79
英検5級 0.14
気象予報士 0.81
看護師 0.05
放射線技師 0.09
応用情報技術者 0.57
宅建 0.61

 

さて、、、、

ぱっと見いい感じではあるのですが、少し問題が。笑

それは看護師と放射線技師。取得難易度がもう赤ちゃんレベルです、、英検5級より低い奇跡。笑

これは試験の合格率がどちらも80 ~ 90%程度であるため、Dの第1項が0.1と非常に低くなるためです。

そもそもこの2つの国家試験は、大学や専門学校などで決まった教育を受け、国家試験に関係する科目を履修した人のみが受験できます。そのため専門的に時間をかけて勉強した学生などが受けるため合格率が高くなり、今回の計算式Dでは取得難易度が低く出てしまうという結果になっています。

ということで、、本来受験資格についてのファクターをDに入れなければならないようです・・・・。ただ後で気づいたのですが、このファクターについては、次のUである程度の補正ができるとわかったので、D : 資格の取得難易度(Difficulty )は、

 D= {1 - (合格率 / 100) }

× {1 - (合格者数 / 現在の有資格者数) }

で計算するとします。

 

 

 

U : 利用価値(Utility Value

まずD値と同じでU値が高ければ利用価値も高い、U値が低ければ利用価値は低いとします。

次に利用価値は、どれだけその資格が社会的に必要とされているかというファクターになります。つまりその資格に纏わる求人数が多ければ、それだけ各企業や行政が欲しがっている資格であると言えます。またその求人数に対して、どれだけその資格を持っている人がいるかということがポイントになります。

そこで求人数をもとにUを評価できるとすると、下記のように計算できます。

U = 求人数 / 新規資格合格者数

試しにD値と同じように、いくつかの資格でU値を計算してみます。

*求人数については、Indeedの求人数を参考にしました。

  U U(規格化)
放射線取扱主任者 0.32 0.07
核燃料取扱主任者 4.72 1.00
税理士 2.12 0.45
英検5級 0.00 0.00
気象予報士 0.45 0.09
看護師 2.42 0.51
放射線技師 1.72 0.36
応用情報技術者 1.62 0.34
宅建 0.59 0.12

 

 

この結果をみると、放射線取扱主任者気象予報士宅建などは、求人数が新規資格合格者数を下回っており、人が足りている状況であると考えられます。

逆に、核燃料取扱主任者や看護師などは、求人数が新規資格合格者数を上回っており、人手不足な状況であると考えられます。

 

 

 

 P : 将来性(Promissing)

これもD値・U値と同じでP値が高ければ将来性が高い、P値が低ければ将来性は低いとします。

次に将来性Pは、下記2つのファクターから計算できるとします。

P = ( 代替不可性 + 市場規模成長率 ) /10 

まず代替不可性は、将来的にAIやロボットにとって代わるのかどうかということが焦点になってきます。市場規模成長率は言葉のままで、将来的に市場規模がどのように変化するのかを考慮しています。

それぞれのファクターについて、最大5点をMaxにポイントを加算します。よって、Pの最大値は1となります。Pの計算結果は、下表のようになります。 

  代替不可 市場成長 P
放取 3 3 0.6
核取 3 1 0.4
税理士 1 1 0.2
英検5級 1 1 0.2
気象予報士 1 1 0.2
看護師 5 5 1
放射線技師 2 5 0.7
応用情報 3 3 0.6
宅建 2 2 0.4

 

  

幾つかピックアップして、説明します。

まず看護師ですが、前半に述べた教師と同じで対人の仕事であり、簡単にAIやロボットでの代替はできないと考えられます。また市場規模ですが、日本は超高齢化社会に突入しており、看護師という仕事は今後も必要とされる仕事であることは間違いありません。

次に税理士ですが、既にファインテックファイナンスとテクノロジーの造語)により仕事が奪われています。特にクラウド型会計ソフトの猛威がすごく、近い将来税理士の仕事は無くなると言われております。また市場規模についてですが、今後日本の企業数が増えることは考えにくく、結果的にP値は低くなっています。

 

このようにP値は予測的で個人的な見解に左右されてしまうため、Spへの寄与は最初に設定した通り1割となっています。

 

 

 

2. 計算結果

Spの計算結果を、以下に示します。 

Sp = {40D50U + 10P}

 = 40[ {1 - (合格率 / 100) } × {1 - (合格者数 / 現在の有資格者数) } ]

+ 50 (求人数 / 新規資格合格者数)

+ 10 { ( 代替不可性 + 市場規模成長率 ) /10 }

 

D : 資格の取得難易度(Difficulty )

U : 利用価値(Utility Value

P : 将来性(Promissing)

 

  D U P Sp
放取 0.53 0.07 0.6 30.5
核取 0.66 1.00 0.4 80.4
税理士 0.79 0.45 0.2 55.9
英検5級 0.14 0.00 0.2 7.4
気象予報士 0.81 0.09 0.2 39.3
看護師 0.05 0.51 1 37.5
放射線技師 0.09 0.36 0.7 28.8
応用情報 0.57 0.34 0.6 46.0
宅建 0.61 0.12 0.4 34.5

 

今回ピックアップした9種類の資格の中で最も優位性Superiorityが高かったのは、核燃料取扱主任者となりました。また逆に最も低かったのは、当然ながら英検5級でした。笑

やはりU値の寄与を一番大きくしているので、求人数に対する新規資格合格者の割合が少ないほどSpが高くなる傾向がありますね。

ただやはり難点なのが、看護師と放射線技師のD値に関して、受験資格についての補正が足りていないことです。U値の中で新規資格合格者を考慮しているので補正できると思ったのですが、流石にD値で0.1以下を叩き出されると補正しきれません。

よって、やはり直接D値に何らかの補正を加えなければならない気がします。

 

今回はこの9種類しか計算していませんが、時間のあるときに他の資格でも計算してみたいと思います。D値についても再考してみます。

お楽しみに( ´ ▽ ` )

 

 

3. 放射線取扱主任者資格について考察

ここでは前節までの検証結果を踏まえ、放射線取扱主任者という資格について考察したいと思います。

まず放射線取扱主任者の各計算結果は、以下の通り。

  D U P Sp
放取 0.53 0.07 0.6 30.5

D値とP値については、特段他のものに比べて低いわけではないですが、U値が低いですね。これは、毎年新たに合格する人が比較的多いが、それに対する求人数が少ないということを意味しています。というより、求人数がそもそもかなり少ないのです。

放射線取扱主任者という資格は、比較的専門性が高いため、必要とする企業がさほど多くありません。私が思うに、下記の4つくらいしかないのではと思います。

原子力に関係する企業、行政機関

・放射性同位元素や放射線発生装置を取り扱う病院

・放射性医薬品や放射線発生装置を売る企業

放射線を使用した調査などを行う企業、行政機関

 

特に病院については、医師や放射線技師の方が放射線取扱主任者を兼任することが多いので、放射線取扱主任者を募集することはまず無いでしょう。そのため、求人が出るとするならばある程度決まった業界、決まった企業からしかないと思われます。

さらに原子力に関しては、世界的にみても廃炉の道を進んでいる国がほとんどです。日本も福島の事故があり、再稼働に向けて動いてはいるもののなかなか厳しい現状にあります。そのため新規に放射線取扱主任者がもっと必要になるような未来はそう来ないと私は考えています。この考察は、少なからずP値に反映させてあります。

 

ただ放射線関係の勉強をした方が多く受ける中で、合格率が20%くらいと低めですので、必要としている企業からしたらこの資格の重要性は高く、有資格者に対しての評価も必然的に高くなると思います。

実際に私が就活していた時には、必ずと言っていい程この資格について褒められました(放射線関係の仕事を中心に就活していたということもありますが)。そのため新卒でこの資格を持っていると、放射線が関係する企業様からは高い評価を得ることができると思います。

 

注意しなければならないのは、転職の場合です。転職の場合、おそらくですが実務経験を求められます。放射線取扱主任者の実務経験は、資格を有しているだけではなく、しっかりと原子力規制委員会に届出を出し「選任」されることが重要です。

私が今一番感じていることですが、「試験に受かることよりも、放射線をしっかりと管理することの方が100倍難しい」、そう思います。記録1つにしても実務経験がなければ、どのようにつけたらいいのか見当もつきません。なぜなら、試験に記録の書き方・付け方は出ないからです。

よって転職の場合は、しっかりと実務経験を積むことが大事です。他の記事でも今度紹介しますが、作業環境測定士などのプラスαの資格も取っておけばなお良しです!

 

 

↓  過去記事で放射線取扱主任者の業務(実務)について書いています 。

haru-radiation.hatenablog.com

 

 

 

4. まとめ

今回は、就職活動・転職活動における有利な資格を、無理やり計算してみよう!とのことで、頑張ってみました( ´ ▽ ` )

やはり一部に数学的・統計的な処理ではなく、個人の見解などが寄与する箇所もあり数値で評価するのは難しいなと感じました。また結局のところ面接官も人であり、ある資格に対しての考え方・感じ方はそれぞれ。そのためこちらがどんなに資格の優位性を評価しても、そこの不確定性は逃れられません。笑

頭がぶっ飛んだ面接官がいたら、「医師免許」and「弁護士免許」を持っているスーパー人材だとしても、「こやつ大したことないがな( ͡° ͜ʖ ͡°)」なんてなるかもしれません。。。。。それはおそらく嫉妬だ!!

 

ということで、久しぶりの記事なのに中々の作業量だったので私は疲れました。気分的には、大学の中間レポートを書いた気分です。笑

また更新頑張ります( ^_^)/