放射線取扱主任者ブログ

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現役放射線取扱主任者のブログ

放射線取扱主任者の業務について(列挙版)

 

 

 

どうも、Haruです!

さてさて、今日は、

放射線取扱主任者ってどんな仕事しているの?」

ということを書いていきたいと思います( ´ ▽ ` )

 

 

 

 

 

 

 

というのも、放射線取扱主任者という資格は、

 

・資格を取ろうと思っているけど実際何してるかわからん

・資格は持ってるけど使ってない

 

という方が多いと思います(というか、大半そうなのでは??)。

 

 

 

 

 

そこで、

実際の仕事内容などを箇条書きなどで、分かり易く書いていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

では、スタート!!

 

 

 

 

 

 

 

 

[目次] 

1. 放射線取扱主任者の仕事(列挙版)

2. 特にめんどくさい仕事Best3

3. 放射線取扱主任者試験を受ける方へのアドバイス(主任者をやるつもりで勉強しよう!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1. 放射線取扱主任者の仕事(列挙版)

 

 

さて、まず放射線取扱主任者の仕事ですが、思いつくままに列挙してみたいと思います( ´ ▽ ` )!!

 

 

1. 被ばくの管理(作業者、施設)

2. 書類の管理(記帳など)

3. 放射性同意元素や放射化物の管理

4. 施設の管理(自己点検、被ばく対策など)

5. 外部対応(定期点検、定期検査、管理状況報告書など)

 

 

 

 

 ざっくり、超大まかにあげてこんな感じです。

これは、本当に超大まかです

主任者をやられている方から怒られるかもしれません(笑)。

 

 

 

 

それぞれ、少しづつ解説していきます( ´ ▽ ` )

 

 

 

 

1. 被ばくの管理(作業者、放射線取扱施設)

 

これは、言葉通り、被ばくの管理を行います。

施設内の作業者および施設(管理区域)には、法により決められた線量限度というものがあります。

 

主な線量限度を下記にあげておきます。

○人

実効線量:100mSv/5年、50mSv/年(女子は、5mSv/3ヶ月)

等価線量(眼):150mSv/年

等価線量(皮膚):500mSv/年

○施設

管理区域境界(放射性物質を扱う場所):1.3mSv/3ヶ月

事業所境界(放射性物質を扱う施設の境界):250μSv/3ヶ月

人が常に立ち入る場所:1mSv/集

 

これは、放射線取扱主任者試験でも必ず出ると言ってもいい内容でしょう。

というか、放射線取扱主任者の仕事ではめちゃくちゃ使いますので、仮に覚えていなくても勝手に覚えます。笑

 

まず人の線量限度ですが、重要なのは実効線量です。

等価については余程の作業をしない限り、500mSv/年は超えないでしょう。

実効線量は、100mSv/5年、50mSv/年の2つの線量限度がありますが、

100mSv/5年は、つまり20mSv/年なので、実質20mSv/年が線量限度と捉えておくとよいでしょう。

放射線取扱主任者は、作業者がこの20mSv/年を超えていないか、被ばくの記録などに注意を払っています。もし超えそうな作業者がいる場合は、現場のヒアリング(おかしい作業をしていないか)や、被ばくのしない作業に多く入れたりするなど、被ばく低減に努めます。

 

また施設の線量限度ですが、

これは一般区域に放射線の影響がないことを担保するために重要です。

超えること自体が正直あり得ないのですが(なぜなら施設を建てる時に十分に問題がないことを確認しているため)、超えない保証はないので毎月しっかりと超えていないことを確認します。

 

 

 

2. 書類の管理(記帳など)

 

これも言葉のままですが、実際にやるとなるとかなりの業務量になります。というのも、作らなければならない記録が多いのです!!

必要な記録を簡単にあげても、

・教育訓練記録(作業者に対して年に一度教育をした記録)

・放射化物保管記録(入出庫の記録、線量など)

放射線同位元素の保管記録(入出庫の記録、線量など)

・放射性同位元素等の使用記録・保管・廃棄の記録(使用時間、線量など多岐)

・被ばくの記録(作業者、施設の被ばく量の記録)

放射線作業従事者に関する記録(登録、抹消など)

・外部に対する記録(放射線管理状況報告書など)

 

と、今思いつくままにあげたでけでもこれだけあります。

主任者たちがどれほど記録の作成に追われているかわかりますね。

 

しかもこれらの記録が無いと、

外部の方の点検(定期検査)で指摘され、怒られるのです。

怒られるで済めばいいのですが、

あまりにひどいと放射線取扱主任者の解任などもあり得るため、

めんどくさくても書類の作成はかなり重要な仕事となります。

私自身、ほぼ記録の作成に業務の大半を取られますが、重要な仕事として必死に遂行しております。

 

 

 

3. 放射線同意元素や放射化物の管理

 

これも言葉通り、

施設で使用している放射性同位元素や放射化物の管理(記録を含む)をします。

最近は聞きませんが、

放射性同位元素を誤って管理区域外に持ち出したという事件も昔はありました。

そのようなことがないように、放射線取扱主任者は日々施設内の線源などしっかりと管理する必要があります。

また保管している場所から持ち出す際には、持ち出し記録や、使用記録などが発生し、それらの記録もしっかりと作っておかなければなりません。

 

 

 

4. 施設の管理(自己点検、被ばく対策など)

 

放射線取扱主任者は、常に施設内の放射線の使用状況が問題がないか気を配っています。

しかし主任者も人なので、抜けなどは出てしまいます。

そのため年に2回ほど自主的に施設の状況や書類の状況を点検し、記録にまとめておきます。これが自己点検です。

 

また主任者は常により良い作業環境を作り出していく努力を必要とされます。

これは今年の8月末までに予防規程(各放射線施設が自分でまとめた放射線使用に関するマニュアルのようなもの)の変更が原子力規制委員会より求められており、業務の改善という項目で各施設の予防規程の中に入れるよう指示も出ています。

つまり原子力規制員会は、常に放射線に関する施設や作業環境に対して、より良くなるように主任者は努力をしなければならないと法律によって求めているのです。

そのため主任者は、作業者の被ばくを減らすために新たね被ばく対策を導入したりと、今ではクリエイティブな仕事も求められています。

 

 

 

5. 外部対応(定期点検、定期検査、管理状況報告書など)

 

これは、3年に一度、もしくは5年に一度、外部による施設の点検を行う必要があり、それを対応するのがほとんどの場合、主任者です。

定期点検は、主に放射線施設の点検で、

定期検査は、主に書類の点検になります。

これらは、4. 施設の管理(自己点検、被ばく対策など)にあげた自己点検をしっかりと実施していれば問題なくクリアされますが、そこがないがしろになっていると指摘が多くなってしまいます。

そのため常に記録をしっかりと作り、定期的な自己点検で抜けを埋めておけば怖いことはないでしょう。

 

また管理状況報告書は、年に一度施設の状況(使用状況や被ばくの状況)を原子力規制委員会に報告する必要があり、その報告書になります。

このような外部に提出する記録に関しても、基本的に主任者が作成するでしょう。

 

 

 

 

 

さて、ここまで1つ1つ主任者の仕事について解説してきましたが、

基本的な「やること」は一緒でも、施設によって「やり方」は異なります。

その施設の特徴や重要な箇所を理解し、これほどの仕事をこなさなければならない主任者は、数年で勤まるものではありません。

むしろ資格を取る以上に、主任者としてしっかりと業務を遂行することの方が何倍も難しいと、このブログの主は思っております。

 

主任者をやってみると、試験に出る内容は本当に基本的なことと感じ、全て業務で使うと気づきます。なので、皆さん本気で勉強してください。

私みたいに主任者になってから、再度勉強することになってしまいますので(笑)。

 

 

 

 

 

 

2. 特にめんどくさい仕事Best3

 

さて、ここまで放射線取扱主任者の仕事を列挙・解説してきましたが、

ここでめんどくさい仕事Best3の発表です!!(唐突)

 

 

第3位 自己点検

 年に2回ほどなのでいいのですが、

確認しなければならない項目が多く大変です。

施設の規模にもよりますが、

1~3週間ほどかかるのではと思います。

また自己点検で問題がある場合、速やかに改善をしなければなりませんので、その対応にも追われます。

 

第2位 書類の管理

上記の章でも述べたように、

作らなければならない記録が非常に多いです。

めんどくさいですが、日々戦っています。

 

第1位 定期点検・定期検査の対応

はい、まぁこれでしょう。笑

めんどくさいというより、やりたくないです。

前章で説明したように、これは外部検査機関の対応となります。

これはいわゆる、主任者として業務がしっかりできているかのテストになると思ってください。

テストは皆嫌ですよね?

そう、皆嫌なのです!!笑

日々問題がないかは確認しますが、もし指摘されたらと思うとドキドキが止まりません。

数年に一度ですが、この時は本当に主任者をやめたいと思いますね。笑

 

ここで余談ですが、

この定期点検・定期検査を実施してくれる期間は、現在下記の2つあります。

 

原子力規制員会

放射線理研究所

 

あまり大きな声で言いたくはありませんが、私は放射線理研究所がいいと思います。

なぜなら、原子力規制員会も易しいと思われます。何が易しい、どう易しいなど、詳しいことは書けませんが、ら⚪︎をしたいなら放射線理研究所がいいと思います。

(小文字で書く意味。笑)

 

 

 

3. 放射線取扱主任者試験を受ける方へのアドバイス

 

今日は、放射線取扱主任者の仕事内容について書いてきましたが、

ここで試験を受けようと思っている方へアドバイスです。

 

主任者試験で問われる知識・問題は、すべて業務で必要です。

特に法令に関する知識や物理・工学的な知識は、業務において非常に問われます。

例えば法令であれば、線量限度などをいちいち調べていたら仕事が遅く話になりません。

また物理的な知識がないと、被ばく対策(遮蔽計算)や減衰計算もしっかりとできないかもしれません(18Fが7月7日 6:00の時点で185MBqあるとして、明日の6:00nにどれほどの放射能量になっているか計算できますか?)。

 

そのため勉強している内容はすべて業務で使う知識だと思って、頑張ってください。

それらの知識がしっかりあると、他から頼られる主任者になれるのも早いと思います。

 

 

 

 

今日はここまでにしたいと思います。

 

またね(^ ^)